<J1:大分2-1清水>◇第1節◇8日◇日本平ほか

 Jリーグが開幕した。清水は大分に1-2で惜敗し、7年ぶりの黒星スタート。開幕戦でのホーム不敗神話も8でストップした。主導権を握りながらも2失点。途中出場のMF枝村匠馬(21)が後半32分にゴールを決め1点差に迫ったが追いつけなかった。タイトル奪取を目指した開幕戦で攻守に課題を残したが、次節の千葉戦(15日=フクアリ)までに修正して今季初白星を目指す。

 開幕ダッシュをもくろむ清水に、厳しい現実が待っていた。試合を支配しながらも大分に1-2で敗戦。MF枝村のゴールで1点差まで詰め寄ったが、あと1歩届かなかった。ホームでの開幕戦不敗神話も8でストップ。試合後、ゴール裏サポーターから大ブーイングと「ゴール」コールを浴びた。長谷川監督は「勝利したかったが、できなくて残念」と唇をかみしめた。

 とにかくゴールが遠かった。前半25分にDF市川が左ひざ負傷で途中交代するアクシデントに見舞われた。新メンバーもまだフィットする過程だったとはいえ、シュート数は前後半3本ずつの計6本。長谷川監督は「ボールの動かし方はできたがフィニッシュが少なかった。シュートは打たないと入らない」と、つめの甘さを指摘した。

 失点の仕方も時間帯も悪かった。前半7分に大分FWウェズレイの約30メートルミドル弾を浴び、気持ちを切り替えて臨んだ後半開始直後にはCKからの追加点で出ばなをくじかれた。それ以外では圧倒していただけに、最も警戒していたセットプレーでの失点が効いた。指揮官も「そこまで(多く)やられる場面はなかった。セットプレーが明暗を分けた」と悔しがった。

 だが、これですべてが終わりではない。MF枝村が「まだ33試合ある」と言えば、GK西部も「切り替えてやるしかない」と先を見据えた。「ある程度手応えを感じているが、結果が伴わなければしょうがない。その辺りを考えたい」と指揮官も顔を上げた。次節の千葉戦まで約1週間。Jの「極み」をつかむための戦いは、まだ始まったばかりだ。【浜本卓也】