<J1:京都2-1神戸>◇第6節◇13日◇西京極

 拝啓

 岡田武史監督-。日本代表に世界規格の大型FWを加えませんか?

 185センチ、85キロと恵まれたサイズの京都FW田原豊(25)が、その潜在能力を開花させつつあります。岡田監督が指揮した98年W杯フランス大会初戦で、決勝点を許したアルゼンチン代表FWバティストゥータをほうふつさせる野性味ある風ぼうに、実力がともなってきました。

 神戸戦の前半4分の先制弾は、バックパスを受けた相手GKに重圧をかけてミスキックを誘い、目の前に転がってきたボールをまんまと得点。「びっくりした」と笑ってましたが、同18分の2点目は混戦のこぼれ球を「バティゴール」よろしく豪快に蹴り込みました。体を張ったポストプレー、高い打点のヘディングも魅力です。

 01年のU-20(20歳以下)W杯で日本のエースだった男はその後、急失速…。横浜から京都に移籍後も同世代のアテネ五輪組に後れを取りました。もともと太りやすい体質で恵まれた体を生かしきれていませんでした。

 でも「親子関係に近い」と田原が慕う加藤久監督(51)の助言で改心。「体重が80キロを超える選手は体調管理が難しい。細かいところまで指導している」と指揮官は昨年から食事面まで徹底しました。

 「体に悪いものは避けるようにしてる。監督の期待に応えたいんで」と田原。かつて「ギューちゃん」と呼ばれたほど、毎日のように食べていた焼き肉を極力控えています。今は好物より結果に飢えている和製バティに注目してください。【西尾雅治】