札幌の新ストライカーが決まった。コンサドーレ札幌が練習生として参加していたブラジル人FWアンデルソン・ルイス(30)と契約する方針を固めたことが13日、分かった。南米視察中の三上強化部長が18日に帰国次第、正式契約を結ぶ。身長187センチの高さに加え、高い技術や速さがチームに適していると判断した。ポルトガルの名門ベンフィカなどでプレーした経験豊富な助っ人を加え、リーグ17位と低迷する状況からの脱出を図る。

 札幌がアンデルソン獲得で立て直しを図る。合否を一任されていた三浦監督が、獲得の方針を固めたことが13日までに分かった。南米訪問中の三上強化部長が新たにリストップしたブラジル人や、アルゼンチン人のFWらと数人を比較。現場サイドで協議した結果、アンデルソンでいくことが決まった。

 ビッグクラブでの経験と、高い技術が決め手となった。三浦監督は日本のサッカーに即フィットできるかどうかが課題としながらも「経験があり、技術もある。いいサッカー選手であることは間違いない」と高く評価。日本人FWも視野に入れながら、慎重に検討を重ねた上で、獲得に踏み切った。代わってノナトは解雇される。

 目の前でそのプレーを見たという、プラス要素もある。5月22日から練習に参加。同26日の道都大との練習試合では45分間で6得点2アシストと活躍した。その後も紅白戦などで動きをじっくり見極めてきた。今季は得点源として期待されたノナトが前評判と違い動きが鈍く、チームにフィットせず、早々に構想から外れた。アンデルソンの特徴はしっかり把握できただけに、同じ過ちを繰り返す可能性は低い。

 メリットも多い。今季は欧州移籍を希望した結果、無所属だったため、7月の外国人選手の移籍解禁を待たずに登録できる。リーグ戦が再開する29日のアウェーG大阪戦の出場も可能だ。すでに練習参加をしているため、戦術も理解してきている。来日当初は「日本のサッカーは展開が速い」と話していたが、対応もできてきた。オフの11日も体のケアのためクラブハウスを訪れたように性格もまじめで、低迷からの脱出へ、大きな力となりそうだ。

 右ひざを痛めていたFW中山は中断明けから復帰が濃厚。だが石井が右ひざを、宮沢が左足小指を痛め離脱している。ダビも内転筋痛を抱えている。危機的状況からの救世主として、アンデルソンにかかる期待は大きい。