待ちに待った助っ人が、いよいよベールを脱ぐ。8日に出場選手登録されたばかりのJ2仙台FWナジソン(26)が、10日の広島戦で先発デビューする。9日の練習も合わせ、チーム合流後17日と日は浅いが、助っ人の特長はベガルタ戦士も把握済み。持ち味のヘディングシュートを生かすべく、ナジソンにクロスを供給し続ける構えだ。4試合連続のドローからの脱出、そして第2クールを首位たたきで締めるべく、助っ人がデビュー弾をぶち込む。

 「ヘディングが得意」。7月24日の入団会見時に、そうアピールしたナジソンの強みは、すっかりチーム内に浸透している。MF永井は「合わせた時の音が違う。バチンって重い音がする。ヘッドが強い人って合わせるだけで弾道が鋭い。ナジソンはそのタイプ」と分析。172センチと小柄だが手倉森監督は、位置取りの良さを評価する。MF斉藤も「特長を生かすプレーをしたい」と前線にロングパスを放り込む考えだ。

 強引さがなくチーム戦術に合致していることも、好感を得ている。ナジソンはこの日のミニゲームでも、ワンツーパスなどを使い連係して相手ゴールを襲っていた。永井は「(韓国・水原で覚えた)韓国語で梁と話していた。みんな片言のポルトガル語も分かる。オレがオレがって感じがないから、連係しやすい」と練習中の一コマを明かす。コミュニケーションでも不安はなさそうだ。

 選手登録が遅れ、3日の甲府戦に出られなかった。それが逆にナジソンの鼻息を荒くさせ、爆発力を期待させる。「試合に出たい。仙台はリズムよくパスをつなぐが、得点がなかなか入らない。広島戦でゴールを目指す」。引き分け続きの停滞ムードを、デビュー弾で振り払う。【山崎安昭】