<J2:山形3-0愛媛>◇第30節◇10日◇NDスタ

 J2山形FW長谷川悠(21)が、2得点でチームを3連勝に導いた。愛媛戦の前半15分、J2チーム通算500得点目を決めると、後半33分には今季2度目の1試合2得点目をマーク。今季10得点と2ケタの大台に乗せた。チームも3-0快勝でJ1自動昇格圏の2位を堅守したまま、最終クール(C)に突入する。

 前半15分、ペナルティーエリア外でパスを受けた長谷川に、迷いはなかった。ドリブルでなく、選んだのはミドルシュート。コースをしっかり狙ったシュートは、何度も弾みながらゴール右隅に吸い込まれた。99年のJ2参戦以来、クラブ通算500得点のメモリアル弾だ。さらに後半33分、MF秋葉のパスをゴール前で押し込み、6月29日広島戦以来の1試合2得点。試合後は「500得点目は、練習でも入らないシュートでした」と話しサポーターを笑わせた。

 「予習」が実った。愛媛DFのマークの甘さはビデオで確認。最近の練習でミドルシュートの精度を上げていた。「(前節は試合がなく)試合が2週間あくと難しいと思ったけど、負けなくて良かった」と安心した様子だった。山形の日本人選手のシーズン10得点は05年のFW原竜太(12点、現湘南)以来。小林監督は「周りの選手からどんなボールが入るか、分かってきた。余裕が出てきた」と満足そうだった。

 この日の北京五輪ナイジェリア戦で、同僚のFW豊田が反町ジャパンの同五輪初ゴールを決めたが、1次リーグ敗退が決定。16日の仙台戦(ユアスタ)で、その豊田と2トップを組む可能性もある。「豊田さんはすごいけど、オレはオレ。人のことは気にせずマイペースでやります」。言葉の中に、長谷川のエースとしてのプライドがにじんだ。

 第1クール6勝から第2クール9勝と成績を上げ、J1昇格圏の2位で終盤の第3クールへ。小林監督は「高い位置でプレスをかけ、全員で守るサッカーができてきた。第3クールは勝たなきゃいけない試合で勝ちたい」と力を込めた。【柴田寛人】