高校年代日本一を決める高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会が、7日に開幕する。静岡県からはプリンスリーグ東海1部2位の磐田ユースと、同3位の静岡学園高が出場。4年連続7回目の出場となる静岡学園高は、1次ラウンド(R)で最激戦区のD組に入った。4年連続の決勝トーナメント(T)進出は、成長著しいエースMF長崎健人(3年)が鍵を握る。

 慢心も、気負いもなかった。エース長崎は大会での目標を問われると、ちょっと悩んで答えた。「チームとしては予選突破。個人としては1試合1得点ですかね」。8月のSBS杯で優勝したアルゼンチン代表のペラッソ監督に「今大会で一番、記憶に残り苦戦した選手」と評されたエースの口から、日本一や得点王という言葉は出なかった。

 「性格はおとなしいし、線も細い。でも学園が上に行けるかは、長崎の出来次第」と、名将・井田勝通監督(66)も信頼を置くエースはこの夏、急成長した。今夏は遠征をせず、2部練習で徹底的に体を鍛えた。実戦形式などの練習後に、60メートルダッシュ50本は当たり前。加えて週に最低1度は通称「マウンテン」と呼ばれる起伏の激しい山道15キロを、真夏の炎天下の中、走った。

 長崎は、そのきつい練習後も、ぐったりする仲間を横目にずっとサッカーボールで“遊んで”いた。「アウトサイドで蹴ったら、インサイドで蹴ったら…」。急速に成長する下半身によって回転数が増し、変化にキレが出てきたボールと対峙(たいじ)した。

 遊んでいたから習得できた、1ランク上のキック。だからこそ、U-20W杯で連覇を狙うアルゼンチンとSBS杯で試合をしても、U-19日本代表戦を経験しても「こんなもんか」と落胆した。

 井田監督は今大会を「45分の試合時間だし、リーグ戦もある。Jのユースチームも出るし、一番レベルの高い大会。この大会で通用した選手は世界で通用できる」と位置づける。今大会、長崎のどんなプレーからも目が離せない。【鶴智雄】