<J1:千葉3-2浦和>◇第28節◇5日◇フクアリ

 浦和が心身ともに満身創痍(そうい)に陥った。千葉に先制された直後の前半8分、DF闘莉王がJ1で自己新となる今季10得点目で同点とした際、左足首を強くひねった。右ひざ痛を押しての強行先発で、序盤から両足の激痛を抱えた。1-3となった後は最前線に出たが、本来の得点力も出せずじまい。長期離脱するほどではないが「(患部が)腫れている。右足も痛い。両足を痛め、どうやってかばえばいいのか。正直、休みたい」。攻守の主軸は悲鳴を上げた。

 7月21日の川崎F戦以来リーグ戦では10試合ぶりの黒星。9月13日大分戦から1週間2戦ペースの8連戦が始まり、7戦目のこの日は1日京都戦に続いて先制された。昨季は34戦中12戦で先制されたのに対し、今季は既に28戦のうち15戦と多い。エンゲルス監督は「(開始)20秒だけで精神的なダメージがあった。(選手は)メンタル的にびびっている感じ」と分析。常に後手に回る苦しい展開が続き、自信喪失した状況だ。闘莉王も「3失点したら勝てない。DFとして最悪です」とうつむいた。

 中2日の8日にACL準決勝第1戦となるアウェーG大阪戦を控える。MF相馬は「今日の負けは悔やみ切れない。今年のターニングポイントになるかもしれない」と不安げだ。J王座奪回、アジア連覇を目指す浦和に、暗雲が立ちこめてきた。【藤中栄二】