JFLのホンダFCが、天皇杯3回戦でJ2鳥栖と対戦(12日、佐賀陸)する。昨年はJクラブを3連破してベスト8入りし、旋風を巻き起こした。天皇杯2戦連発中と好調の新人FW早坂良太(23)は、練習参加経験のある鳥栖撃破と昨年の快進撃の再現へ、静かに闘志を燃やしている。

 J2鳥栖戦への意気込みを聞かれると、新人ストライカー早坂は表情を引き締めた。「ひと泡吹かせたいですね」。鳥栖には静岡大4年の春に練習参加したが、その後に正式オファーが届くことはなかった。「Jとの本気勝負は初めて。どんなものか楽しみですね」。成長ぶりを見せるゴールで、今年の快進撃の幕を開けようと気合十分だ。

 加入当初は、ホンダFCの「ボールも人も動くサッカー」にとまどった。「(動き方が)分からなかったので、FWでもここまでボールを追うのかと思った。最初は守備で疲れちゃっていた」。だが、練習を重ねるうちに、動き方が体にしみこんできた。「追い方も分かってきましたね」。攻守のバランスが取れるようになると、持ち前のゴールへ向かう突破力が発揮できるようになってきた。

 天皇杯1回戦ではハットトリックを達成し、同2回戦でも先制弾を決めるなど2戦連発中と絶好調。石橋真和監督(37)は「少しずつですけど、特長の仕掛ける部分が出てきたかなと思う」と成長ぶりを口にした。

 昨年の快進撃は、テレビにくぎ付けになって見た。「すごいなと思っていました」。周囲は昨年の再現を期待するが、重圧に感じることはない。「うちは相当先制点が大事。いい時間帯に取れれば。今年も頑張りたいですね」。早坂の天皇杯3戦連発弾が、ホンダFCを昨年以上の快進撃へと導いていく。【浜本卓也】