アジア制覇へ王手をかけたG大阪の西野朗監督(53)が7日、あえて「ACLのことは忘れろ」と訴えた。ACL決勝第1戦を制してアジア制覇に王手をかけたが、その直後のリーグ戦となる8日の東京戦(万博)こそ落とし穴と強調。今季はACL直後(中3日以内の試合が対象)のリーグ戦で2勝2分け3敗と負け越している。ACL優勝につなげるためにも、まずはリーグで勝って弾みをつける。

 ACLで勝った直後が1番危ない。8日の東京戦を控えて危機感が募った西野監督は、ミーティングで「ACLのことは忘れろ」と選手に訴えた。

 西野監督

 リーグに集中しろと口で言うのは簡単だけど、どうしてもACLのことが選手の頭にはちらつくもの。ああいう試合(ACL決勝第1戦3-0アデレード)の後で、東京は好調で苦しい試合になる。

 今季ACL直後の3日以内に行われたリーグ戦では2勝2分け3敗。特にACL決勝進出を決めた浦和戦後の清水戦(10月26日)では1-3と完敗し、リーグ優勝が絶望的となった。「同じことを繰り返してはいけない」とゲーム主将のDF山口は反省する。DF安田も「勝ったということを気持ちの中で捨てる」と言い切った。

 現在ACL制覇へ王手をかけている。だが、あえてその有利な状況を忘れて東京に勝てば、勢いは12日の決勝第2戦へとつながるはずだ。「どんな試合も全力を尽くすだけ。だらしない試合をしてはいけない」とMF遠藤。初のアジア制覇へ、G大阪は大切な試金石に臨む。【奈島宏樹】