緊張の高まる大一番を、汚名返上の舞台にする。J2仙台FW中島裕希、中原貴之(ともに24)が、22日の横浜FC戦に先発することが濃厚となった。20日の紅白戦で、主力組のツートップを形成。息の合った動きを見せた「中中コンビ」が、リーグ戦約半年ぶりの先発機会を生かす。今季、開幕スタメンを張りながら結果を残せずにいる2人が、名誉挽回(ばんかい)のゴールラッシュでチームをJ1昇格へ導く。

 期待されているのは、チームを昇格へ近づけるゴールだけ。5月21日の熊本戦以来の先発機会が巡ってきた「中中コンビ」は、そのことを重々承知だ。

 中島

 まずは勝ちにこだわって、できるだけ多くの点を取りたい。

 中原

 (サポーターの)期待に応えたいし、自分が結果を出してチームが上(J1)に上がれたらいい。

 FWナジソンが右太ももの故障から復帰し、FW平瀬も体調に不安はない。「誰が出てもベガルタのサッカーを表現できる」(手倉森監督)中、あえて先発起用される責任を、2人は肌で感じ取っていた。中島は「プレッシャーはありますよ。ただ、この状況をタカ(中原)と『楽しんでやろう』と言っている。仮に(3位のまま)入れ替え戦へ行っても、連勝していれば勢いづく。得点したいし、とにかく勝ちたい」と語気を強めた。

 今季リーグ戦は、5得点ずつしか挙げていない。2人とも日ごろから「得点数を増やさなければ」と口にしてきた。自分たちが得点を量産していれば、昇格争いがもっと楽になっていたはず-との思いが強い。「開幕前から、オレらの年代がやんないと、と思ってたんですけど」と中島は、唇をかむ。

 得失点差を考えればゴールを量産したい。それが難しくても、ともに勝利を呼ぶ1ゴールが欲しい。「2人で特長を生かしながら横浜FCに勝つ」と息巻く中中コンビ。逆転で自動昇格切符ゲットを信じるサポーターのためにも、互いのゴールを誓った。【山崎安昭】