<高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権:新潟ジュニアユース2-0札幌ユースU-18>◇27日◇準決勝◇東京・西が丘サッカー場

 札幌ユースU-15が新潟ジュニアユースに1-2で敗れ、5年ぶり3度目の決勝進出を逃した。前半11分に先制点を許し、同25分にMF荒野拓馬主将(15)が右肩を負傷し退場するアクシデント。後半13分に追加点を奪われ、ロスタイムに1点を返すも、序盤の嫌な流れが最後まで響き、惜敗した。就任2年目の名塚善寛監督(39)が取り組んできた意識改革が浸透し、レベルアップして臨んだ舞台だったが、悲願の初優勝はならなかった。

 試合終了の笛が鳴り響くと、札幌ユースU-15イレブンはピッチに崩れ落ちた。GK花田倖基(15)MF小山内貴哉(15)らは芝生におでこをつけ、泣きじゃくった。名塚監督は「完敗です。一番は走れないし、集中力が切れたことが原因」と淡々と振り返った。

 序盤の嫌な流れが響いた。先制点を失った14分後の前半25分、MF荒野主将が負傷退場した。突然の事態に動揺は隠せなかった。パスミスなども出て攻撃のかたちは作れず、ペースを相手に握られた。FW近藤勝成(15)は「G大阪に勝ったのにいい面に出なかった。勢いでいけばいいのに緩みがあった」と漏らした。準々決勝で2連覇中のG大阪ジュニアユースを破った勢いを、持続することはできなかった。

 5年ぶり3度目の決勝進出こそ逃したが、堂々全国3位の成績を残した。就任2年目の名塚監督の意識改革が、浸透した結果だった。「トレーニングで真剣にやっているから試合で泣けるんだよ」「満足しないで上を目指せ」など、強い気持ちを植え付けていった。元日本代表で平塚(現湘南)時代にはMF中田英に慕われ、99年からは3年間札幌でプレーしDFの中心を務めた実績十分の指揮官は、練習の重要性を説き、子供たちの内面を変えていった。この日の悔し涙は、その思いが伝わっていたからこそのものだった。

 近藤ら中学3年の6選手は、札幌ユースU-18に昇格することが決定している。小山内は「この経験を生かして(高校では)日本一になりたい。悔しい思いはしたくない」と出直しを誓った。【長島一浩】