横浜-G大阪(国立)、柏-東京(エコパ)の天皇杯準決勝2試合が、29日に行われる。92年度大会以来の決勝進出を狙う横浜は、右かかと痛で離脱していたMF山瀬功治(27)が約2カ月ぶりにベンチ入りすることになった。当初は今季中の復帰は困難とみられていたが、驚異の回復力をみせ、帯同メンバーに選ばれた。アジア王者のG大阪撃破の切り札として「スーパーサブ山瀬」がスタンバイする。

 横浜に頼もしい男がカムバックしてきた。10月25日柏戦での途中出場後、右かかと痛でリタイアしたMF山瀬功がG大阪戦の帯同メンバー18人に入った。23日から練習合流したばかり。実戦テストをしていない状態だが、「試合勘?

 体で覚えている部分が感覚的にある。そんなに変わることはないかと思う」と静かに闘志を燃やした。

 当初は今季中の復帰は難しいとみられていた。現在も週2回は痛みを抑える注射を受けるが、練習合流後も悪化の気配はなく「予定よりも復帰が早くなった。できすぎ」という。札幌、浦和、横浜時代を通じてプロ生活で年末にサッカーを続けているのは初めて。「この時期までサッカーをやっているなんて。新鮮ですね」と話した。

 横浜にとっては04年リーグ制覇以来となるタイトル奪取のチャンス。天皇杯優勝で来年のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権も得られる。

 山瀬功が言う。「重要な時にするのが選手交代。自分の持ち味をいかに出せるか。長時間、維持できるかは別にして瞬間、瞬間のコンディションはいい」。G大阪を倒す切り札としての自覚は十分だった。