コンサドーレ札幌が、ユース選手の発掘に本腰を入れる。札幌を運営する北海道フットボールクラブ(HFC)は8日、機構改革に伴う新人事を発表した。道内スカウトには、寮監も務める札幌ユース出身の蛯沢匠吾氏(23)が配置されることが決定。昨季限りで引退しスカウトに就任する鈴木智樹氏(23)と2人で、トップチームだけでなく、クラブ史上初めて下部組織の選手発掘も担うことが決まった。

 新体制で、未来の道産子スターを探し回る。「下部組織の強化に関しては、まだまだ開拓の余地がたくさんある。そこを重点的に補強した」と矢萩竹美社長(58)。昨季は三上強化部長の下、村田スカウト1人しかいなかったが、新人事で札幌ユースで同期だった若きスカウトが2人補充されることとなった。

 両スカウトは、トップチームからU-18、U-15の新加入選手まで、くまなくリサーチする。従来、ユースの選手は、希望者によるテストでの選抜か、ユースの指導者らが直接、学校の監督に話しかけて勧誘するスタイルが通例だった。ただ、現状では高校進学と同時に横浜ユース入りした山瀬幸宏(横浜)のように、中学卒業の時点で道外に流失するケースもある。クラブ初となる強力なスカウト網で、ダイヤの原石をいち早くみつけ出し、トップチーム強化に結びつける。【永野高輔】