Jリーグが、高卒新人育成のために“大迫育成プロジェクト”を立ち上げる。Jリーグは14日、東京・文京区のJFAハウスでJ1実行委員会を開催。18~21歳の選手の出場試合数を確保するためのプロジェクト立ち上げを確認した。19日の理事会で正式決定し、強化、育成、運営などの枠を超えて若手の試合数増加に本格的に取り組む。

 昨年度高校選手権得点王に輝いた流通経大柏FW大前元紀は清水入りした1年目、リーグ戦2試合など出場した公式戦は6試合だけ。過去3年間でJクラブ入りした大会優秀選手は17人いるが、活躍しているのはわずかだ。羽生事務局長は「ヒントは乾にある」と言う。07年に野洲高から横浜入りしたが出場試合数は限られていた。しかし、昨年6月にC大阪に移籍してからは試合数が増え、一気に日本代表入り。レンタル移籍活性化は、若年層の強化にも直結する。

 プロジェクトでは、 (1) レンタル移籍活性化のための保有選手数制限 (2) 若手起用を規定に加えた大会の開催 (3) 大学チームとの連携、などが話し合われる見込み。現在行われているサテライトリーグの見直しもありそうだ。鹿児島城西FW大迫勇也は、高校選手権の得点記録を塗り替えて将来が期待される。成長するには鹿島での実戦経験が不可欠だ。昨年の北京五輪で反町監督が嘆いたのは「この世代の実戦経験が少ない」こと。12年ロンドン五輪、さらに14年W杯へ、高卒新人の強化は急務だ。