第2のアルセウ事件を未然に防げ!

 コンサドーレ札幌は20日、キャンプ地のグアムへ向け出発した。昨季の同キャンプでは、新外国人のMFアルセウが突然退団するアクシデントがあった。今季加入の外国人選手は3人とも国籍が違う。コミュニケーション不足による再発を防止する策として、ポルトガル語、スペイン語、韓国語の簡単な日常会話集を選手、スタッフに配布する。各選手が精神的に孤立しないように、頻繁に声を掛け合い、結束を固めていく。

 同じ過ちは繰り返さない。グアムキャンプ中、アルセウ事件防止に向けた新対策を実施する。スペイン、ポルトガル、韓国と3カ国語の簡単な日常会話を記入したカードを選手、スタッフに配布。誰もが通訳抜きで外国人選手と気軽に話せる態勢を整える。「おはよう」「こんにちは」などのあいさつから、「上がれ!」「戻れ!」などのサッカー用語まで、フレーズをそれぞれ単語帳にまとめ、円滑なコミュニケーションを図っていく。

 “多国籍”チームとなる石崎札幌にとって、言葉の壁はすばやく取り払わなければならない問題だ。3外国人はブラジル人FWキリノ、コロンビア人MFダニルソン、韓国人DF趙と国籍はばらばら。昨季はノナト、ダビ、アルセウとすべてブラジル人だったにもかかわらず、バイア州出身でなかったアルセウだけが孤立。3人のうち1人別部屋でもあったアルセウの心の闇に気づくことができず、退団という最悪の結果を招いた。

 クラブ関係者は「昨年も(外国人と)普通にコミュニケーションは取れていた。問題はないはずだったのに」と言うが、アルセウの心には響いていなかった。結果、開幕1カ月前にして、一からのチームづくりを余儀なくされた。代わって獲得したクライトンが加わったのは3月に入ってから。ほぼぶっつけ本番の状況では、J1残留は酷な目標だった。

 同じ過ちは繰り返さない。長期間の団体生活だけに、気軽な会話がチーム内の潤滑油となることは間違いない。1年でのJ1復帰を目指す今季、盤石なチームとなるため、わずかな不安も取り除いていく。