【グアム4日=永野高輔】コンサドーレ札幌の石崎信弘監督(50)が、クラブ史上初めて主将を選手、スタッフ間の「総選挙」で選出するプランを打ち出した。今季、チームが若手主体となった影響で、石崎監督も絶対的リーダー選びに苦心。そこで、最も支持を受ける選手を任命して、ピッチ上の結束力を、より強めていくのが狙いだ。2月12日から始まる熊本キャンプ中に投票を行う方針だ。

 札幌の主将選びは、昨季までの指名制から選手全員の意見が反映される「選挙方式」に変更するプランが浮上した。今季は27選手中23歳以下が16人。若手が多く強力なリーダシップを発揮する選手も少ない。絶対的な主将候補だったDF箕輪もリハビリ中で不在。どの選手も“支持率”が低迷する状況に、石崎監督が「主将?

 なかなか決め手がないから、選挙でもやってみようか」と新たな策を打ち出した。

 候補者はグアムキャンプ参加中の日本人選手。攻守の柱となるMFクライトンも構想にあったが、石崎監督は「外国人だと問題があったときに対処が難しい」と日本人路線を貫く構えだ。さらに昨季までのMF芳賀主将から心機一転、新主将を抜てきすることも明確にしている。芳賀と箕輪、新人3人と外国人選手を除く18選手での選挙戦が幕を開けることになった。

 現時点で前評判が高いのは若手の22歳MF上里、22歳GK佐藤、21歳MF西の3候補。いずれが就任しても05年和波、07年芳賀の24歳を超えるクラブ最年少主将が誕生する。石崎監督自身はGK佐藤を候補に推しており「主将になったら落ち着くんじゃないかな。困ったらGKじゃ。柏のときも南にやらせたら昇格できたしね」と説明する。

 選手間でも意見が分かれる。MF砂川は上里派。「若い選手がやってもいい。カズ(上里)なんかJ1でもトップクラスのものを持っている。それを引き出すのに主将をやってみてもいいと思う」と言う。DF柴田は「ヒロ(西嶋)さんもいい」と話している。有力候補のMF西は「キャプテン?

 指名されればやる覚悟はできている」と早くも自覚が芽生えている。

 選挙での主将選びは、今季浦和のフィンケ監督も実施。06年には、選挙でMF三浦淳を主将に選んだ神戸が、監督の途中帰国などトラブルを乗り越えJ1昇格を果たしている。石崎札幌も、選手の生の声をチーム統率に生かし、J1昇格を目指していく。