G大阪の「6冠布陣」の青写真が狂った。股(こ)関節痛のため別メニューで調整しているFWチョ・ジェジン(27)のリーグ開幕千葉戦(3月7日、フクアリ)出場が難しくなっていることが16日、分かった。古傷の右ひざ痛も悪化しており、宮崎2次合宿4日目のこの日までに復帰のメドは立っていない。FWレアンドロ(23=ブラジル)も右アキレスけん痛を発症し、別メニュー。新加入した期待の2トップが万全ではない状態で、開幕を迎えることになりそうだ。

 西野監督が悩ましげに首をひねった。「チョ・ジェジンが一番やっかいなんだよ。大事には至っていないと聞いたけど、思ったより悪い。開幕は難しい」と言った。股関節痛に加え、古傷の右ひざ痛も悪化。現時点で復帰のメドは立っておらず、今後も別メニューで調整させることを決めた。

 もう1人の新助っ人FWレアンドロも、アキレスけん痛のためこの日は別メニューで調整した。こちらは軽症のもようだが「痛みが軽くてもこの時期にけがをすれば、コンディションを100%で開幕を迎えることは難しいよ。レアンドロにも変に開幕を意識させずに調整させたい」と西野監督。期待の新2トップが不安を抱えたまま宮崎合宿は後半へ。「2人がいなきゃ、昨年のメンバーとほとんど変わりないじゃないか」と指揮官は苦笑いするしかなかった。

 昨年末に右ひざ半月板を手術したMF二川も別メニュー調整が続き、開幕戦出場は既に絶望的だ。左ひざ痛からの復帰を目指すMF明神は全体練習に合流はしているが、紅白戦などの実戦練習は回避している。ゲーム主将のDF山口は「調整不足の選手がいることはチームにとって痛い」とみけんにしわを寄せた。

 アジア王者からさらなる高みとなる6冠獲得へ、戦力補強となるはずだった新2トップがつまずいた。当面は、中盤に下げる予定だったルーカスをFWに戻して方向転換するか、山崎や播戸の奮起に期待するか…。前日15日夜に医療スタッフと今後の対策を話し合った西野監督は「シーズンは長い。まずはけが治すことが先決」と言うが、軌道修正は悩みのタネとなりそうだ。【奈島宏樹】