J2札幌に明るい要素が1つ増えた。左内転筋を痛め、別メニュー調整が続いていたMFダニルソン(22)が17日、熊本市内で行われた全体練習に復帰した。「回復している。練習中も問題なかった」。その言葉以上の抜群の動きを、攻守の戦術練習で披露した。

 縦へのスピードであっという間に相手を置き去りにする。素早いチェックで、対峙(たいじ)する相手には仕事をさせない。グアム合宿中の7日に行われた神戸との練習試合に出場後、戦列離脱。10日ぶりのプレーだったが、存在感を存分にみせつけた。

 出遅れた格好だが「練習していた方がやりやすいのは確かだが、攻撃の形なども理解しているし、チームに溶け込んでいける」と不安はない。この日はレギュラー組のボランチで走り続けた。19日の韓国Kリーグ浦項との練習試合も出場見込みで、確実に前進している。

 新天地での慣れない環境とシャイな性格から、合流後しばらくは周囲と交わることも少なかった。しかし6万5000円で購入したパソコンで母国コロンビアの家族と連絡が取れるようになり、気持ちも変わってきた。今では鈴木通訳が「自分からちょっかいを出してくるようになった」と言うほど前向きだ。代表歴もある将来性豊かな攻守の核の復活は、大きなプラスになる。【砂田秀人】