チームの成績が良ければ「日の丸」も見えてくる-。J1山形が25日に行う広島との練習試合を、日本協会のスタッフが視察することになった。今季のJ1クラブ18チームで唯一、日本代表経験者が不在の山形にあって、FW古橋達弥(28)は最もA代表に近い存在だ。「そんなレベルじゃない」と謙虚に話す古橋は、チームの成績を優先しながら、その先の日の丸を見据える。

 「サッカーをやっている以上はみんな、そこ(A代表)を目指しますよ」。今年、何度も古橋は、この言葉を口にしてきた。ベテランの域に入りかけても、練習から一切、手を抜くことはない。「何歳までも、うまくなりたいから」とストイックだ。自身のゴール数が、チーム浮沈の鍵を握ることを、このストライカーは熟知している。

 古橋の言葉から分かるように、代表へのあこがれは強い。だが25日の広島戦に協会関係者が視察に訪れると聞いても「そんな選手じゃないっすよ」と笑うだけだ。昨年5月のキリン杯の際は代表候補リストに載ったことがある。練習試合で結果を出せば、大きなアピールとなりそうだが、古橋にそんな考えはない。

 あくまでもチームの成績が伴うことが、代表入りへの最大のアピールと考えている。そのためにも古橋は、21日川崎F戦で右ふくらはぎを打撲し、この日は別調整のFW長谷川との連係がカギを握るとにらんだ。「飛び出すタイミングとか(開幕までに)しっかり取りたい」と誓う。

 今後、クラブ初の代表が生まれる可能性はある。小林監督は「チーム成績が良ければフル(古橋)とハセ(長谷川)は日本人ツートップだから目立つよ。代表がいると、ほかの選手の刺激にもなる」と期待した。過去にも「元代表」すらいないチームだが、J1に上がったことでアピール機会は確実に増す。「もっともっと、あらゆる面でレベルアップしないと無理です」と笑う古橋。チーム成績を上げる活躍が、結果的に代表への近道になることを実証してみせる。【山崎安昭】