<練習試合:磐田5-0浜松大>◇26日◇大久保グラウンド(静岡)

 J1磐田FW中山雅史(41)が、開幕スタメンを猛アピールした。浜松大戦の後半から出場し、2得点1アシストの大暴れ。今季の始動から、これで対外試合6戦で4ゴール。1回り以上も若いライバルたちに負けず、J1通算157ゴールの貫禄(かんろく)を示した。28日のJ1名古屋戦が、開幕前最後の対外試合となるが、最後の最後まで開幕戦での先発を目指して、走り続ける。

 手応えは十分だった。だが、今年で42歳を迎える今も進化を目指す中山は、決して満足はしなかった。健在ぶりを証明する2ゴールを決めても「決定機で悔やまれる場面が、何度もあった」といつものように課題を口にした。

 順調に仕上がっている。後半23分、MF村井の左クロスに、頭から突っ込んだ。相手DFの一瞬のすきを突き、ダイビングヘッドで、ゴールに突き刺した。後半1分のFW万代へのアシストと、同3分のヘディングゴールと合わせて、45分間で2得点1アシストの活躍。それでも「相手は大学生。点を入れられたことは悪くないけど、安易に喜べない」と神妙に話した。

 対戦相手の約2倍の年齢を積み重ねた大ベテランは、控えとして後半からの出場に燃えていた。柳下監督も「速い動きだしでゴール前に入っていくタイミングは、体に染みついている」と評価した。恩師にも健在ぶりを披露した。浜松大の長沢和明監督(51)は、クラブの前身ヤマハ発動機サッカー部が磐田に生まれ変わり、Jリーグ昇格を果たすまでの激動期(91~93年)の監督だ。中山は試合後、真っ先に駆け寄り、あいさつを交わした。長沢監督には「この年まであの力を維持できることはすごい」と絶賛された。

 昨季は公式戦全試合でメンバー入りも、リーグ戦の先発はわずか1。現状では前田&ジウシーニョの開幕2トップが有力だが、まだ28日に、名古屋との練習試合がある。「このイメージを、またプレーに出せるか」。最後の最後までアピールし続ける。【栗田成芳】