石さんが超攻撃型オプションを用意した。コンサドーレ札幌は4日、キャンプ地の熊本市内で紅白戦を行った。石崎信弘監督(50)はベースとなる4-4-1-1システムのほかに、中盤をひし形に変えた4-4-2システムをこの日、試験的に導入。キリノと宮沢の2トップに、ボランチ上里を左サイドハーフに上げた攻撃重視の布陣をチェックした。8日の開幕仙台戦では、状況に応じてシステムを使い分け、あくまで勝利を狙う。

 ホーム開幕戦で確実に勝ち点3を取りに行く。指揮官の執念が、この日の布陣に詰まっていた。通常の1トップからFWを1人増やし、サイドバックは右に藤田、左が西という本来MFの攻撃的選手を配置。ボランチはダニルソン1人にし、精度の高いミドルシュートを持つ上里を、よりゴールに近いサイドハーフに上げた。

 フィールドプレーヤー10人中、8人がFWとMFという形を、石崎監督は「リスクを冒してでも点を取りにいきたいときの布陣」と説明する。2トップになれば、キープ力のある宮沢がマークを引きつけ、キリノが得意とするDF裏へ抜け出す形が生まれる。トップ下のクライトンが「1トップよりもボールの出しどころが増える。かなり攻撃的だ」と話すように、豊富な攻撃バリエーションが期待できる。

 「ホームでは面白いサッカー」を提唱する指揮官だけに、開幕戦の引き分けは頭にない。最悪リードされても、追いついてさらに勝ち越す。勝ち点3奪取への秘策が「追い上げ&ダメ押し」想定の超アグレッシブ布陣になる。【永野高輔】