ツネ様が、長谷川流でKO宣言だ。神戸は13日、14日のホーム開幕川崎F戦(ホムスタ)に向け練習。主将のDF宮本恒靖(32)は、前日12日にボクシングWBC世界バンタム級王者長谷川穂積(28)の8度目の防衛戦をテレビ観戦。巧みに相手との距離を詰めて1回KO勝ちした戦い方に真顔で「参考になる」。3年ぶりJ復帰となった開幕京都戦(8日)は1失点で敗れたが、長谷川流のファイトで今季初勝利を挙げるつもりだ。

 ツネ様の明晰(めいせき)な頭脳が、川崎F攻略法を導き出した。世界王者長谷川の戦い方に大きなヒントがあったという。「1つは集中力、そして相手との間合いの詰め方。相手をどうやって仕留めるか。参考になる」と真顔で言った。

 開幕前の2月19日に神戸市内の練習場を訪れた長谷川と、共闘を誓い合っていた。そして前夜テレビ観戦したV8戦が、最高の教材になった。マークする川崎Fの鄭大世、ジュニーニョらを長谷川の対戦相手に見立てる。相手が仕掛けてくれば距離を詰め「ジャブ=マーク」でけん制する。そして「KO=圧勝」につなげる-。「相手の攻撃力は高い。DFとしての仕事は増える。仕事をさせないようにしたい」と言い切った。

 8日の開幕京都戦は一瞬のスキをつかれ失点し、0-1と悔しい敗戦を喫した。もう不用意に「パンチ=シュート」を打たれるつもりもない。「開幕戦はチームとしては安定していた。だが、そうではない時間帯もあった。この1週間で修正してきた」と言い聞かせた。

 マルセウ、アラン・バイーアの新助っ人コンビが開幕戦で負傷し、離脱している。チームはこの日の練習で冒頭の30分を非公開にするなどピリピリムード。そんな中、カイオジュニオール監督は「宮本の統率力はチームを救ってくれるだろう」と期待する。「長谷川選手も同じ神戸を拠点としている。お互いに神戸を盛り上げたい」。熱く語るツネ様が、長谷川に続く豪快なKO劇を演出してみせる。【奈島宏樹】