<J2:湘南1-0札幌>◇第4節◇25日◇札幌ドーム

 札幌、痛恨連敗-。コンサドーレ札幌は札幌ドームで湘南と対戦し、後半ロスタイムに失点し、0-1で敗れた。前半7分にFWキリノ(24)とMF上里一将(23)が負傷で退場するアクシデントも、終始ゲームを支配。湘南を圧倒する攻撃を見せたものの、カウンターからの1発で、貴重な勝ち点を逃した。これで昨季4月26日の新潟戦以降、クラブワーストとなる札幌ドーム8連敗。ホーム未勝利記録も16試合に伸びる、不本意な結果となった。

 ロスタイムに悪夢が待っていた。湘南アジエルから札幌DFの裏に縦パスが出る。ゴール前40メートル付近に転がり出たボールに、いち早く反応したのは湘南中村だった。GK佐藤との1対1を冷静に決められる痛恨の一発で、敗北を喫した。圧倒的に攻め込みながらの結果に、石崎信弘監督(51)は「DFは頑張っていたが、一瞬のスキがあった。まだまだということ」と淡々と振り返るしかなかった。

 序盤から不運に見舞われた。前半7分、FWキリノとMF上里が相手ゴールキックを奪いに行った際、激しく衝突。たがいに頭部を切り退場するという事態に陥った。石崎監督は急きょキリノに替えてFW宮沢、上里に替えてMF砂川を投入せざるを得ない、想定外の滑り出しとなった。

 「2人いなくなったけど、あの瞬間が最も声が出ていた。集中はしていた」。DF西嶋が言うように、いきなり交代要員を2人使うというハンディはあったが、失点シーンまでは札幌ペースが続いた。後半のシュート数は湘南を5本上回る11本と圧倒しながらも、決めきれない悪循環が敗戦につながった。

 「チャンスをつくっているのに決められないのは、技術と精神の両方が足りていないということ」とMF砂川は課題を口にした。後半23分には砂川からの左クロスに藤田が追いつけず、同39分には同じく砂川の左CKをFW横野が頭で合わせたがゴール右にこぼれた。今季4戦で、シュート数が相手より少なかったのは勝った鳥栖戦だけ。西嶋は「気持ちは入っていたけど、正直に突っ込むこと以外にアイデアも必要なのかも」と漏らした。若さからの気負いか、ゴール前で相手DFを嫌がらせる最後の一手が不足している。

 J2の過去5シーズン、4試合を消化した時点で勝ち点3以下の3位に入った例はない。データ的には厳しい状況に立たされたが、まだ下を向く時期ではない。地道に勝ち点を重ねてはい上がっていくしかない。【永野高輔】