<J2:仙台3-1東京V>◇第6節◇5日◇味スタ

 待望の「FW初得点」でベガルタが逆転勝ちした。前半44分DFエリゼウ(29)がヘッドで同点にすると、後半19分にエース中島裕希(24)が決勝点。開幕5戦で無得点と苦しんでいたFW陣の初得点で3-1の勝利を引き寄せた。中島は3年連続でFWのシーズン初ゴールもゲット。今まで1度も勝てなかったアウェー東京V戦、味スタ戦でも初勝利をつかみ「負の歴史」もぬぐい去る1勝を挙げた。

 待たされた分だけ喜びも増した。後半19分、MF関口の左クロスが中央に飛び込んだFW平瀬の頭をかすめ、FW中島に届いた。今季6試合目で初のFWによる得点。イレブンが大事につないだボールを冷静に蹴り込んだ背番号13は「苦しい時に点が取れて、うれしい。やっとFWで取れた」と胸をなでた。これで中島は、3年連続でFWのシーズン初得点をゲット。いずれも勝利に導くゴールだ。

 ゴール後はスタンドに敬礼ポーズ。「(バルセロナFW)アンリとエトーの物まねっす」と中島。そのバルセロナがマラガを6-0で下した一戦(3月22日)を3日の練習前と、この日朝の宿舎で観賞しイメージを膨らませた。手倉森監督は「(ゴール前に)やみくもに人が集まるだけの(前節)湘南戦に比べ、連動性が高まった。(バルセロナ戦を見て)互いの位置を確認し、パスの出し手を見る動きが参考になった」。後半32分にも、連係からDF田村がフィニッシュに持ち込んだ。

 本来の動きを取り戻したチームは、悪いデータも吹き飛ばした。通算3分け3敗のアウェー東京V戦、同2分け5敗の味スタ戦でも初勝利を挙げ、宮スタに続く「のろい」を解いた。手倉森ベガルタが「負の歴史」を清算しながら昇格ロードを突き進む。【木下淳】