<J1:山形1-0千葉>◇第4節◇5日◇NDスタ

 リーグ戦でのホーム初勝利に、観客が総立ちで歓喜した。山形は千葉を1-0で下し、4位に浮上した。後半41分、MF秋葉勝(25)が、3月25日のナビスコ杯京都戦に続く2戦連続ゴールで、勝ち点3をゲット。ユース出身で8年目の生え抜きが、リーグ戦でも「J1本拠地1号」を決める大仕事をこなした。どちらに勝利が転がってもおかしくない展開をものにし、チームに確かな自信が芽生え始めた。

 大歓声とともに、スタンディングオベーションがわき起こった。後半41分、左サイドのFW古橋が出したボールを、中央のMF佐藤健が左足でダイレクトパス。相手DFの背後に駆け込んでいた秋葉が、トラップを入れて、左足を振り切りゴール。山形・上山生まれのヒーローは、駆け寄ってきたイレブンにもみくちゃにされた。

 狙っていたサイド攻撃を封じられた。チャンスをつくるが決められない時間が、長く続いていた。流れを変えるには、中央を突破するしかない-。秋葉と佐藤健のダブルボランチの呼吸が合った。佐藤健は「ボールが来たとき、勝さんが走るのが見えた」といえば、秋葉も「決めるだけでした。得点より、勝ち点3を取ったことがうれしい」と相棒をたたえた。

 チームにとっても、磐田との開幕戦以来、3試合ぶりの得点。待望の得点が生まれた瞬間、ベンチを飛び出して、まるで自分が決めたかのように小林監督も笑顔がはじけた。「0-0の引き分けだと思ってた。(これまでのホーム2戦と違い)雪がなくても勝てるというのを見せられました」と上機嫌だ。

 練習で繰り返していた3列目の攻撃参加が、リーグ戦で結果が出た。しかもどちらに勝利の女神がほほ笑んでもおかしくない展開で、きっちり勝ち点3を上積みできた。チームの勢いは加速するはずだ。「黒子」を自称する秋葉の得点は、チームに本当の春が到来する予感を、サポーターに与えた。【山崎安昭】