<J1:清水1-0神戸>◇第4節◇5日◇ホムスタ

 J1清水が神戸を1-0で下し、リーグ戦4戦目で待望の初勝利を挙げた。終始、劣勢の苦しい試合展開だったが、セットプレーからFW岡崎慎司(22)のヘディング弾で先制すると、その1点をGK西部洋平(28)を中心に守備陣が耐え抜き、今季3試合目の無失点。アウェーで貴重な「勝ち点3」を奪った。これで、ナビスコ杯初戦(3月29日、京都戦)に続き、公式戦2連勝。長谷川健太監督(43)は「非常にうれしい。よく戦ってくれた」と興奮気味に全選手をたたえた。

 待ちに待った瞬間だった。試合終了のホイッスルが鳴ると長谷川監督はベンチ前で、両手の拳を握り締めた。ピッチ上のイレブンもガッツポーズと、ハイタッチを繰り返した。「1-0での勝利を非常に満足している。まず1勝。アウェーで勝ったことは大きい」と指揮官。ようやく手にした今季「初勝利」に、神戸まで駆けつけたスタンドのサポーターも大いに沸いた。

 「岡崎&ヨンセン」の2トップが機能した。劣勢が続いた苦しい試合展開で迎えた後半17分、MF藤本の左CKをファーサイドのヨンセンが、打点の高いヘディングで折り返し、逆サイドで待ち構えていた岡崎が冷静に頭で合わせた。岡崎が「ヨンセンが折り返してくれると信じていた。落ち着いて打てて良かった」と言えば、ヨンセンは「逆サイドにいるのは分かっていた。狙い通りだよ」と、好アシストに笑顔を見せた。

 貴重な1点を全員で守り切った。後半28分、MF藤本に代わりMFパウロ、同32分、MF枝村に代わり、MF伊東が入った。さらに、同44分にはMF兵働に代わりDF太田が入り、急造5バックで守備を固めた。後半7分、相手FWから顔面に蹴りをくらいながら、身をていしてゴールを死守したGK西部は「しぶとくできた。耐えて耐えてって感じですね。また次が大事になる」と次節の川崎F戦(12日、アウスタ)を見据えた。やっとつかんだ初勝利。開幕ダッシュには失敗したが、もう大丈夫。清水の今季は、リーグ4戦目から幕を開けた。【為田聡史】