モンテの「青い目のサムライ」が、親友斬(ぎ)りで勝利を呼び込む。17日、G大阪戦に挑む山形DFレオナルド(26)が、かつての盟友で相手のエースFWレアンドロ(24)の前に立ちはだかる決意を語った。16日の最終調整でもキレのある動きを見せた「レオ様」。山形一筋6年目になる守備の要が、キバをむく。

 敵となれば情けは無用-。レオナルドの口ぶりに、そんな気概が表れた。背筋をピンと伸ばしたサムライは「難しい試合になると思うけど、いつも通り頑張るだけ」と短い言葉に、決意を込めた。報道陣が、対レアンドロの意気込みを質問したが、余計な感情は持ち込むつもりはない。

 山形の昇格のために、ともに戦った06年には、チームメートにいたずらを仕掛けるなど馬が合う関係だった。2人は、現在も電話で連絡を取り合う仲。だが、勝負となれば別だ。レオナルドは「彼は移籍したけど、ボクは山形を昇格させなきゃと思って、残った」と、秘めていたプライドを口にした。山形に忠誠を誓ったサムライは「レアンドロ斬り」で、モンテの底力を見せつける構えだ。

 ここまでリーグ戦3失点は、清水と並んで最少失点。鉄壁DFは、レオナルドの存在抜きには語れない。「レアンドロもJ1でもまれて成長しているけど、特徴は把握している」と、敵エースの封じ込めに自信を見せた。はしを使ってそばを平らげるサムライを、サポーターは親しみを込め「レオ様」と呼ぶ。チームは守備を固めて「ドロー策」を練っているが、無失点でゲームが進めば勝機も見えてくる。アジア王者からの金星獲得を、ファンは望んでいる。【山崎安昭】