大分の強化担当・原靖取締役(42)が1日、5月のノルマに「降格圏脱出」を掲げた。5月は、2日のG大阪戦を含め、第13節まで計5戦。J1では1ステージ制になった05年以降、第13節終了時点で降格圏にいたチームは、約6割の高確率で降格している。大分フロント陣は、チームワースト5連敗中で最下位18位に沈む状況に危機感いっぱい。降格圏脱出に失敗した場合、補強など大胆なテコ入れを行う方針だ。

 大分は、前節・柏戦(4月29日)の敗戦で、J1昇格後のクラブワースト5連敗を喫した。クラブサイドの危機感は強い。

 原取締役は「(05年以降)13節に最下位(18位)だったチームは08年の千葉を除いて全部下に落ちている。千葉は(残留に)何か手を打っている訳で、ウチはこのままなら困る。13節までずっと最下位なら何かアクションを起こさないと」と語った。監督交代や補強も含めたテコ入れを示唆した。

 シャムスカ監督が柏戦の敗戦後「けが人や退場者が多くベストメンバーが組めていないのが大きな問題」と話したように、守備を統率したDF深谷、エースFW高松に加え、中盤の柱だったMFホべルトも欠く布陣は満身創痍(そうい)状態。このため、主力級の補強に動く方針だ。

 今節は、昨季7月のG大阪戦でゴールを決めた退場処分明けのMFエジミウソンが復帰する。5月は計5戦(G大阪、大宮、横浜、清水、広島戦)あるが、まずは2日のG大阪戦で勝利を収め、泥沼の6連敗(クラブ史上初)を阻止したい。

 クラブによると、チーム批判の投書もかなりの数届いているという。シャムスカ監督はかつてないピンチに「自信を失わないことだ。これまでやってきたことをやり続け、困難を乗り越えたい。勝つことによって状況はプラスに働く。この試合(G大阪戦)が大事」と必勝を誓った。【菊川光一】