<J2:札幌1-1徳島>◇第21節◇14日◇厚別

 厚別で勝てない…。コンサドーレ札幌は1-1で徳島と引き分けた。前半26分にFWキリノ(24)のゴールで先制するも、後半21分に追いつかれ、ホーム札幌厚別開催試合はクラブワーストとなる11戦連続未勝利。前節鳥栖戦同様、先制しながら追加点が奪えずリズムを崩す展開で、2戦連続で勝ち点3を取りこぼした。勝ち点1を積み上げたが、昇格圏の3位仙台とは勝ち点差12と、依然厳しい状況が続いている。

 札幌の“厚別祭り”は最も寂しい結末に終わった。YOSAKOIソーラン祭り、日本ハムのデーゲームと同時開催となった一戦は、両イベントの影響もあり今季ホーム観客数最少の5708人。びしょぬれになったスタンドのサポーターから札幌イレブンにきついゲキが飛んだ。「おれらだって雨の中、一緒に戦ってるんだよ。こんなのでいいのか」。2大イベントより札幌の試合を選んだ熱意あるファンに贈られたのは、1-1という煮え切らないドロー劇だった。

 またしても、たたみ込めなかった。前半26分のキリノのゴールで先制するも、残り74分無得点に終わった。前半のシュート数は徳島を5本上回る6本。流れのいい時間帯で追加点を奪えず、逆に後半21分にセットプレーで追いつかれた。終盤、石崎監督はFW上原、MF砂川、FW中山と切り札を次々に投入し猛攻をかけたが後の祭りだった。

 前節の鳥栖戦同様、追加点を奪えなかったことで、相手の流れにのみ込まれるという失態を繰り返した。MF藤田は「決して1点で終わろうという気持ちはない。チャンスはつくれているのに、最後で決めきれない」と、もどかしさを隠しきれない。最近6試合で2得点以上の試合はなし。サイドを起点に攻め手はつくるが、フィニッシュには至らない。低く速いアーリークロスを多用することで進化はしたが、まだまだ工夫が足りない。

 石崎監督は「攻撃はセンス。言われたことをやるだけじゃなく、自分で考えてプレーせな」と言う。ドリブルで切り込んだり、あえて中央を使うなど、サイド一辺倒ではない攻め方も求められている。

 次節からは、MFクライトンが合流する予定。背番号10不在の間に、速いパス回しから得点を奪うことが可能になった。あとは確実に勝ち点3につなげられるための巧みなゲームコントロールを、チーム全体で見いだしていかなければならない。【永野高輔】