J1磐田のGK川口能活(33)が、アウェーで「にっくき」山形に雪辱する。川口は16日、次節山形戦(19日)を「リベンジの一戦」と位置づけた。今季開幕戦ではホームで初対戦。屈辱的な6失点の惨敗を喫する最悪のスタートで、前半戦の低迷のきっかけとなった。個人としても、開幕当初の不成績が、その後の日本代表落ちにも影響した。それだけに因縁の相手との後半戦初戦の再戦では、きっちり借りを返すつもりだ。

 GK川口は、本番さながらの緊張感を醸し出していた。開幕戦で2―6と大敗した山形との再戦を前に、16日の練習では激しくゲキを飛ばした。「次は大事な試合になる。山形は粘り強い。この間も横浜に勝っているからね。こちらも連勝して雰囲気はいい。何よりも前回の借りを返したい。あの試合を忘れたことは1度もない」。はっきりとリベンジを宣言した。

 開幕戦で、プライドはズタズタに引き裂かれた。右ふくらはぎ肉離れから復帰直後だったとはいえ「6失点」は自身の国内最多失点記録。日本代表落ちの一因にもなった。それでも「(代表選出は)チームの成績に左右される部分はある。自分はベストを尽くすだけ」と奮起。最近はスーパーセーブの連発でチームの連勝に貢献し、今季最高の7位浮上の立役者となった。柳下監督も「得意な至近距離でのシュートでいいところが出ている」と信頼を寄せる。

 敵地での戦いは経験ずみだ。今季からJ1に昇格した山形は、本拠地での8試合で負けは3戦。しかもすべて1点差と粘り強い。それでも、川口には横浜時代の97、98年に2度、敵地のNDスタでプレーした経験がある。結果は1勝1敗だが「ピッチは悪くないし、冷静にプレーできると思う」と経験を生かす。

 チームにとってもリベンジの一戦。J参入した94年以降昇格チームとの初顔合わせで、ホーム&アウェーでの連敗は1度もない。「僕が点を許さなければ、負けはない。前回の試合をテレビの再放送で見た。次は勝ちしか考えられない」。やられたらやり返す。それが「守護神川口」の真骨頂だ。【栗田成芳】