パパキリノが長女誕生を自らのゴールで祝う。J2札幌は22日、鳥栖と対戦する。前日20日に長女エロアちゃんが誕生し父親となったFWキリノ(24)は、チームの大黒柱としても自覚倍増。愛娘に贈る1発を決める。

 キリノ弾で最終クール初戦を飾る。出産前夜は一睡もできなかったが、無事誕生を見届け、昨夜は「ぐっすり眠れた」とコンディションも万全だ。「父親の責任感を感じる。娘のためゴールを挙げる」。家族の長として一皮むけたエースが、4連勝を誓った。

 「エロア」とは旧約聖書で神という意味でもある。「自分で考えた。深い意味はないけど」と苦笑いを浮かべたが、敬虔(けいけん)なクリスチャンならではの思いが込められている。この日、紅白戦終了後とクラブハウスに引きあげるときと2度、神に祈りをささげ集中力を高めたのも、新たな命を授かったことへの感謝の思いからだ。

 鳥栖戦は今季2戦とも得点している相性の良い相手。「決めたら当然ゆりかごポーズだよ」。3月15日の対戦時は自身J初ゴールとなるヘッドで今季初勝利をもたらした。札幌ドーム98日ぶり白星もキリノ弾で決める。【永野高輔】