J1清水DF岩下敬輔が24日、誕生日を迎え23歳の目標として「日本代表入り」を挙げた。入団5年目の今季は、開幕からレギュラーに定着。ここまで23試合に出場し、DFながら4得点をマーク。攻守においてチームの主軸として活躍し、日本代表スタッフからも注目されている。10月には、日本代表アジア杯最終予選の香港戦(同8日)と、親善試合が2試合控える。次節の神戸戦(27日、アウスタ)はチームの「逆転優勝」はもちろん、個人としても「初の日本代表選出」に向け大事な一戦となる。

 岩下の23歳初日は、長谷川監督からのゲキで始まった。練習後、お祝いムード一色の中、報道陣に囲まれると「朝イチのミーティングで、いきなり怒られましたよ」と、苦笑いを浮かべながら頭をかいた。練習前のミーティングで、DVDを見ながら前節の山形戦をチェック。DFラインの要としてフル出場し、2試合連続の完封勝利を飾ったが、指揮官からは、さらに厳しい注文が飛んだ。

 要求が厳しくなったのは、期待の大きさの裏返しだ。8月下旬に日本代表大木コーチが清水の練習を視察したときには「岩下の名前は、ちらほらあがっていた」(長谷川監督)と、代表チームも岩下を気にかけている。節目の日を迎え「A代表を意識しながらやっていきたい」と、あらためて日本代表への思いを口にした。「近くに同じ年のいいプレーヤーがいる。刺激になっている」と、同期入団の日本代表FW岡崎に続くつもりだ。

 日本代表への思いはあるにせよ、現段階での最大目標はチームの「リーグ制覇」にほかならない。首位鹿島に勝ち点差4と迫り「今まででベストの結果を残したい。監督には、いい経験をさせてもらってきた。胴上げをして、恩返しをしたい」。23歳のDFリーダーが、2つの大きな目標に向かって突き進む。【為田聡史】