J2札幌がチケット券種削減による運営費切り詰めを検討していることが2日、明らかになった。削減対象は今季から札幌ドーム限定で導入されたSS指定席後方のU自由席で、同カテゴリー廃止による警備兼監視員の人件費を減らし、切り詰めた分を強化費につぎこむ構えだ。

 鳩山新政権同様、10年札幌も無駄な経費をカットして運営のスリム化を図る。矢萩竹美社長(59)は「券種を減らすことで、かなりの額を戦力費につぎこめる。現在、具体的な策を検討している段階」と話した。

 廃止濃厚なのは、札幌ドームSS指定席後方、記者席脇のスペースに今季から設置したU自由席。最も高いSS指定席とほぼ同視野の位置ながら格安の2500円で観戦できる自由席として新設された。だが今季は目標のホーム平均1万人到達も困難な状況。動員数自体の落ち込みから同エリアまで満員になることはなく、カテゴリーを分けることで生じる警備人件費見直しが検討されていた。

 クラブ関係者も「ある程度観客の数も固まってきており、あのスペースまで人をいれなくても収容できる」と話す。来季トップチーム人件費は今季より2億円減となる4億円規模に圧縮される。DF石川直樹(24)の残留交渉にかかる約2000万円の資金捻出(ねんしゅつ)や、来季試合数減少に伴う興行収入のマイナス分を、運営費切りつめで補っていく方針だ。