怖いもの知らずの「トリプルT」で、J1残留だ!

 28日のアウェー名古屋戦で、J1山形MF広瀬智靖、太田徹郎、DF山田拓巳の20歳トリオが、スーパーサブとして待機する。27日に最終調整を終えた小林監督は「若さ、勢いというのも面白い」と話し、3人を遠征に帯同。経験値の低さは否めない高卒2年目組だが、ムードメーカーとしても期待。チームが苦しむ重圧打破を「若さ」に託す。

 勝てば残留決定の名古屋戦。この日の非公開トレを含め、徹底して攻撃意識を高めさせた小林監督は、最後のスパイスに「若さ」を選択した。指揮官は「20歳ぐらいの子は経験はないけど、30歳ぐらいの選手より技術はある。実績はなくても勢いがあるから」と広瀬、太田、山田の遠征帯同を決断した。

 残留がかかった8日の鹿島戦を含めここ3試合、攻撃面での消極性が目立つ。現状打破への期待がかかる「トリプルT」は、重圧を感じるどころか「(得点を)決められたらおいしい」と口をそろえる。名古屋について、山田は「みそカツ」とピッチ外の印象を答える余裕さえ見せた。

 インフルエンザを懸念し9月から、ベンチ入り人数(18人)より1人多い19人で遠征している山形。ベンチに「トリプルT」がそろわない可能性もあるが、ピッチ外にも重要な役目がある。3人とも、いじられ役でムードメーカー。「(大リーグの)松井秀喜のものまねが得意」という太田を筆頭に、リラックス効果にも期待できる。

 薄い選手層も影響し、大分、C大阪を率いた際にも「佳境で若手に頼ったことはない」という、指揮官のギャンブル。だがMF渡辺はじめベテラン組も3人の資質を認め「気負いすぎていたらコントロールする」と結束する。2度はね返された残留決定の壁を、若さというオプションで突破する。【山崎安昭】