コンサドーレ札幌が来季、少数精鋭でのJ1昇格を目指す。来季のチーム編成が24人前後となることが5日、分かった。ニトリのメーンスポンサー撤退で補強費が3億円台に縮小される中、過去最少だった99年25人よりも少ない選手数で戦う可能性も浮上。ローコストハイリターン作戦で苦境を乗り切る方針だ。

 来季札幌が少ない戦力の中で最大限のパワーをひねり出す。三上大勝強化部長(38)は来季のメンバー構成について「多少の増減はあるとしても、全体人数として24人前後になるのではないか」と想定した。今季は27人でスタートしたものの、来季は一気に人員を削減して、クラブ史上最少人員での戦いとなる可能性が出てきた。

 現在、来季にむけた補強作業の真っ最中で、既に東京DF藤山の獲得が決定。磐田の元日本代表FW中山の加入も有力となっている。だが、今季で退団するのはFW石井ら戦力外となった4選手と、引退する曽田の計5選手。さらに期限付き移籍が濃厚なMFダニルソン、西がチームを離れる見込みで、結果的に7人減ることになる。

 クラブでは現在、新たな選手の獲得を目指しているが、藤山と中山以外に1人もしくは2人の増加はあっても、それ以上は予算的に厳しいのが現状。新加入選手が計3人で終わる可能性も残しており、そうなれば99年の25人を下回る24人でのスタートを余儀なくされる。荒谷退団で増員を予定していたGKも最悪、3人体制のまま臨むことも検討しているという。

 ニトリのメーンスポンサー撤退による苦渋の選択でもある。補強費が今季の6億3000万円から3億円台にまで縮小される状況。クラブ関係者は「予算が少ないのだから、いかに効率よく使うかを考えなければ」と話しており、その一環が精神的支柱となれる藤山の獲得や、現在交渉中の中山の存在でもあった。

 人員削減は決してマイナス要素だけではない。来季は北九州のJ2昇格が内定しており、2回戦制になる予定。試合数も今季51試合から36試合に減るため、今季よりも少人数で戦えるという判断だ。厳しい状況なのは覚悟の上。少ない補強費を、より的確な補強につなげ、コストパフォーマンスを上げていく作戦だ。