J2仙台が12日、天皇杯準々決勝でJ1川崎Fをユアスタに迎え撃つ。今季、J2新記録の23戦連続不敗を樹立したホームでの大一番。うち12勝2分けのユアスタ今季最終戦で先発2トップを務めるのが、FW中島裕希(25)とFW中原貴之(25)に決まった。こちらの2人も、今季得点した試合は負けなし。3回戦の大宮、4回戦の東京に続くJ1勢3連破を「中中」コンビが担う。

 心強い勝ち運を持った先発2トップだ。中島は今季得点した公式戦10戦全勝、中原も8勝2分けと不敗神話を続ける。大宮、東京を下した時も先発。東京戦ではアベック弾を決めた2人が、格上3連破に挑む。

 中島にとっては、恩師へ成長を示す場にもなる。03年に鹿島入りした時のコーチが川崎Fの関塚監督。あるサテライトの試合で「髪の毛を気にしてたら、めっちゃ怒られた。『何回、髪を触ったか分かるか?

 11回だ。常に全力でやれ』って怒鳴られた」と振り返る。一方で「スピードはJ1で通用する」と評価してくれた。「関さんに成長した姿を見せる」という中島が大宮、東京に続く対J1「3戦連発」を誓った。

 相方の中原は、日本代表GK川島と03年のU-20代表でチームメート。2歳上で交流は少なかったが「7日のJリーグ・アウォーズ(年間表彰式)で、あいさつしてきました」と中原。ユアスタ今季最終戦に「勝って締めくくりたい場所。まず組織的な守備から入って、チャンスを確実に生かしたい」と燃えた。

 J2優勝の勢いに地の利を加え、下馬評を覆す。ナビスコ杯、リーグ戦ともに準Vの川崎F戦。J1最多64得点(34試合)の攻撃力を誇るが、今季1度も負けていないユアスタなら脅威もやわらぐ。約1万9000席のチケットは既に完売。J2最少39失点(51試合)の守備に熱狂的サポーターの後押しが加われば…。番狂わせの期待大だ。【木下淳】