磐田が今季から、ホーム戦で発行している「マッチデープログラム」を、無料化することが29日、分かった。昨季まで1部300円(会員は200円)で販売されていたが、今季はスタジアムを訪れた観客全員に「タダで」配布する。クラブ関係者によると、ページ数は減るが全員の手に渡ることで、クラブのことを知ってもらい、観戦のリピーターを増やすのが狙い。また、スタジアム情報なども掲載し、当日の試合をより楽しむための「バイブル本」へと生まれ変わる。

 1試合平均での発行部数は、約4000から5000部。採算を度外視し、目先の収益よりも将来的なサポーター獲得を狙う。従来は一部の固定サポーターだけが購入する傾向があり、新規獲得につながっていなかった。観戦に訪れた老若男女の全員に受け取ってもらうことで、ファン層の拡大や新規サポーターの獲得へとつなげるつもりだ。

 また、毎年クラブが開幕前に発行するイヤーブックは今季、選手のプロフィル動画が収録された「DVD付き」となることも分かった。これまで、前年の得点シーンなどを収録したDVDをつくっているクラブはあったが、全選手のプロフィル動画収録は、J史上初の試み。新体制発表会見の模様や、ポスター撮影現場の裏側など、ピッチ上では見られない選手やスタッフの素顔ものぞける。

 クラブは昨季7月から、練習後にピッチレベルでのファン対応を開始するなど、サポーター獲得に向けて着々と新たな試みに挑戦。チーム同様、フロントも進化を遂げようとしている。