J1仙台の新加入選手発表会が30日、本拠地ユアテックスタジアム仙台で行われ、注目のブラジル人MFフェルナンジーニョ(29)がお披露目された。05年にG大阪をJ1優勝に導いた万能アタッカーは「道は困難でも目標は1位」とV宣言。J1で158試合に出場した経験を、若きベガルタ戦士に注入する考えも示した。発表会後には仙台OBらとのドリームマッチが行われ(3-3)、ベガルタの10年シーズンが幕を開けた。

 聖地ユアスタで一般公開された入団会見。最も拍手を浴びたのが、日本でもなじみ深いフェルナンジーニョだった。来日7年目。日本語で「これから力を合わせて頑張りましょう」とあいさつし、ファンのハートを早速つかんだ。報道陣から「日本語は理解できますか?」と聞かれると「ちょっと分かる」と即答。わずかな言動で、日本に順応していることを証明した。

 仙台がJリーグで5クラブ目。7季ぶりのJ1復帰を果たしたばかりだが「目標は優勝」と言った。05年にG大阪を優勝に導き「簡単ではないけど、目いっぱいの努力をすれば可能性はある」。さらに「(08年に)J2優勝の広島が素晴らしい成績を収めた。仙台も再現できるはずだ」と力強い。4位の広島を引き合いに出し、最低でもACL出場権を獲得する気だ。

 首脳陣の評価も高い。手倉森監督は「パスも出せて得点も決められるチャンスメーカー」とした上で「J1の経験を落とし込んでほしい。周りも盗んでもらえれば」と期待。丹治強化部長も「経験豊富なフェルナンジーニョが現メンバーと競い合えば必ず底上げにつながる」と説明した。

 昨年12月にリストアップされ、複数のブラジル人候補の中から契約条件を勘案した上で選ばれた。手倉森監督とはブラジル視察中に会談。人間性も認められ、28日に来仙した。フェルナンジーニョは「若手やJ1を知らない選手に経験を伝えたいし、自分ももっと学びたい」。ベガルタの小さな巨人になる。【木下淳】