コンサドーレ札幌FW中山雅史(42)が、日刊スポーツの単独インタビューに答え、移籍後初めて臨んだグアムキャンプでの手応えと13日からの熊本2次キャンプへの意気込みを語った。右足内転筋付着部炎で別メニュー調整が続いたグアム序盤の不安な日々、完全合流を果たしあらためて体感できたチームの和--。20歳以上も離れた若手選手から受けた刺激も糧にして、熊本でさらにパワーアップを図ることを誓った。

 -札幌移籍後初のキャンプを終えた。チームから感じ取った雰囲気とは

 中山

 みんな、やろうとしていることが1つになっていると思いますし、臨む姿勢も高いと感じましたね。選手もスタッフも含めて一丸になっているのかな。石さん流なのかもしれないけど、最終日のウオーミングアップのリフティングにしても、強化部長、ドクター、エキップ(用具係)、マネジャーそれぞれ(監督に)言われたら中に入ってボールを追いかけているわけですから。和気あいあいとしていると思いますし、でも和気あいあいだけでなく、やるところはびしっと、メリハリをつけてやっているんじゃないのかなと。

 -磐田時代との違いは感じたか

 中山

 人が違いますから明らかに違うとは思うんです。僕自身もまだ戸惑っている部分、把握できていない部分もあるから、どうしてもいききれていないところもあると思う。でも、それを違いとして受け止めて“ここが違うな”と言ってもしょうがない。このチームはこのチームとして、その中で僕自身も高めていければいいし。違うことは違うこととして、しっかり受け入れて対処していけばいいし。また違った良さもあるだろうし、それを自分で感じ取ってやっていければいいと思っています。

 -石崎監督の印象は

 中山

 親しみやすく話しやすい感じはします。そういう雰囲気をつくってくれているのかもしれないですね。選手の方も、遠慮せずに“こういうことを考えている”ということをぶつければ、しっかり受け止めてくれるし答えも返ってくる。ミーティングでも言ってましたが“プレー中でも練習後でもいいから、なんかあるんだったら言ってきてくれ”と言っている。それでも、なかなか言いづらい場面もあるかと思うけど、そういう壁をそんなにつくってない。“どんどん来てくれよ”みたいな雰囲気があります。

 -グアムで早期合流を果たした。当初予定は熊本での合流プランもあったが

 中山

 いや、もっと早く合流するつもりでいました。ただ不測の事態が起きて、さらにそれを払しょくする不測の事態がまた起きた。ダブルで起きて結局チャラになった、というような状況だった。不測の事態?

 (6日目に)良くなったこともそうですし、その(キャンプ)前の悪くなった状態もそう。ファン感の前あたりからずっと気になっていた部分があって、それが落ち着いているならまだしも…そんなに激しい動きもしていないのに自分なりの自覚症状があったので不安だった。(キャンプに)入って1週間ぐらいは結構な不安を抱えていたのは確かです。今が、まったく不安がないといえば、そうではないんですけど、でもそのときに比べればまったく。実際問題、合流もできているわけですから。

 -多くの場面で若手に刺激を与えてきたが、逆に最年長として若い選手からの刺激を受けたことは

 中山

 オレが刺激を受けているのは(横野)純貴。1000メートル走6本やるときに、設定タイムが決まっているのに無視して1本目から飛ばして倒れている。次もあるのにもう倒れてる。あの出し切りぶりは才能。使い方を間違っている部分はあるのかもしれないけど、それだけやりきれるのだから、それをどうフィールドの中で使い切るか。100%ずっと動いたら疲れてしまうけど、緩急をつけて動くというのが彼はできると思う。それをずっとやったらDFはとてもついてこれないと思う。すごい“うざい”選手になれるかもしれない。あの出し切りボーイぶりはすごい。そういうのは触発されます。先を考えずにやれてる若さってすごいなって。オレもやんなきゃいけないなと刺激を受けましたね。

 -熊本では戦術練習が主体になる。今季チームの中で求められる役割について

 中山

 勝つことに何とか貢献できれば。点を取る、そこに絡むプレーが非常に求められると思う。ただそれ以外にやることもある。まずFWとして最初のDFでならなければならない。サボったら次が厳しくなるし、そこでコースを限定することが後ろが守りやすくなることにもつながると思いますし、そこがスイッチを入れる場所なのかもしれないし、そこをすごく意識的にやっていかなければいけないだろうと。それは今までと変わらないところなんですけど、さらに分かりやすくやることが必要かなと思います。ただ後ろからの指令、指示によってそれがスイッチとして入る場合もあるだろうし、状況判断をして全員が“ここだ”っていう意識を統一した上でスイッチが入ることがベストなんですけどね。そういうふうになっていければいいと思いながらやっています。あとは、若い選手も多いので、いろんな部分を盛り上げる上でも、一役買っていければいいんじゃないかとも思います。

 -熊本合宿で詰めていきたいことは

 中山

 もっともっとサッカーの動きでのフィットをさせていきたい。まだなんかフワフワしているのかなぁという感じがしないでもない。ただ、客観視しているつもりですけど、もしかしたらそれが精いっぱいなのかもしれないし、何とも言えないけど。それでも、もっとフィットしていければと思っています。【取材・構成

 永野高輔】