災い転じて福となった。コンサドーレ札幌が13日、ドタバタの中、熊本キャンプをスタートさせた。新千歳から羽田までの移動便が、機材トラブルのため出発が遅れ、熊本への便に乗り継ぎできなかった。1本遅れの便になったため、練習開始は1時間遅れの午後5時になったが、予定していた場所から照明付きグラウンドに変更で、ナイター練習が可能となった。ほぼ予定通りのメニューを消化することができ、何とか無難に初日を終えた。

 午後4時の練習開始時間になっても、グラウンドにはだれもいなかった。そのころ、札幌から出発した17人の選手は、熊本空港から宿舎へ向かうバスの中にいた。思わぬハプニングに見舞われ、当初予定より1時間遅れて午後5時、練習開始となった。

 朝の新千歳空港で予期せぬ事態が待っていた。9時15分発予定の飛行機が、機材トラブルのため、1時間近く出発が遅れた。午前11時30分過ぎに羽田に到着したときには、11時半発の熊本行きの便は、東京などでオフを過ごした石崎信弘監督(51)やFW中山雅史(42)らを乗せ、飛び立ったあとだった。次の便へ振り替えざるを得ず、MF古田寛幸(18)は「千歳でも羽田でも結構待たされました」。計3時間近く、足止めを食らった。

 思わぬ形での熊本キャンプスタートとなったが、幸運もあった。当初は熊本県民総合運動公園陸上競技場横にある、補助競技場で練習する予定だった。しかし地元高校生の陸上大会が終了したため、ナイター照明のある陸上競技場の使用が可能になった。練習途中からは明かりもつき、1時間半以上、ミニゲームなども行うことができた。石崎監督は「補助競技場ならボールは使えないかと思っていたが、電気もつけてもらえて、予定通りやることができた」と満足げな表情をみせた。ドタバタこそあったが、それを補えるだけの初日になった。

 グアムキャンプには参加できなかったMF李漢宰も合流と、負傷中のDF箕輪と吉弘をのぞくメンバーがそろった。フィジカル強化に充てたグアムを終え、熊本では開幕に向けての本格的なチームづくりに入る。古田は「開幕まで時間は限られているから。どんどんアピールしていかないと」と思いを口にした。明暗あった1日から、スタメン奪取をかけた激しい戦いが、始まった。

 【砂田秀人】