J1磐田が鹿児島キャンプ最終日となった18日、練習試合で浦和と対戦し「完封締め」で10日間の日程を終えた。主力組で臨んだ第1試合、DFイ・ガンジン(23)と大井健太郎(25)が守備の要として奮闘。前半を被シュートゼロに抑えると、後半も相手の攻撃を封じ0-0で完封した。勝利こそ逃したが、課題の守備で手応えをつかみキャンプを打ち上げた。チームはこの日帰静し、19日から磐田で練習を行う。開幕までラストスパートだ。

 がけっぷちのセンターバックコンビが、前へ前へと押し上げた。DFイ・ガンジンと大井が大きな声で「アップ、アップ!」。合わせるように両翼の駒野とパクがついていき、DFラインを高い位置でキープ。相手FWを敵陣に押し戻した。敵をゴールから遠ざけ、流れの中では、後半22分まで被シュート0の“パーフェクト”に抑えた。90分を無失点で終え、柳下監督は「守備では、コンパクトにしていい形が見られた」と手応えを口にした。

 危機感を持った2人が意地を見せた。助っ人外国人のイ・ガンジンはチーム合流以降、コンディション不良を自覚し、ベスト体重に戻すため練習後に自ら走り込みを課した。この日は球際の激しいチャージで気迫を見せた。大井は14日の神戸戦までサブ組に甘んじていたが、この日はDF加賀に代わって先発出場した。定位置奪取には絶好のチャンスに、声を出してリーダーシップを発揮。高さを武器に、先輩の浦和FW高原の頭上でボールをはね返した。大井は「今年はレギュラーをとらないといけない。危機感?

 ありますよ。半年で結果を残さなければいけないと思っている」と、力強く話した。

 守備陣の奮起に柳下監督も「危機感は2人ともあると思うよ。やらないと周りから言われるしね。言い合っていかないとチームは強くならない」と喜んだ。昨季リーグ最悪の60失点だった課題の守備で、安定感を身につけキャンプを終了。チームはホーム磐田で、いよいよ最終段階に入る。【栗田成芳】