<J1:川崎F0-0清水>◇第4節◇27日◇等々力
両雄が文字通り「激突」した。前半3分。清水エリア内のルーズボールを奪おうと、川崎FのMF稲本潤一(30)と清水のMF小野伸二(30)が跳び上がった。お互い譲らず、側頭部が激しくぶつかった。
「ヘディングされた。(丸刈り頭が)丸いからボールだと思ったのでは」と振り返った小野は、あまりの衝撃にその場で倒れこみ、タンカでピッチ外へ運び出された。稲本も痛みに顔をしかめ、何度も頭を振った。「頭にたんこぶができた。それで目が覚めたような。伸二と試合をしているんだなと実感しました」。
Jリーグでの直接対決は稲本がG大阪、小野が浦和所属当時の98年5月以来。その後はお互い欧州に移籍し、08年3月には稲本がフランクフルト、小野がボーフムの一員としてブンデスリーガで対戦した。くしくも今季、同時期にJ復帰して4347日ぶりとなるJでの対戦が実現した。稲本は「伸二が清水で、オレが川崎F。不思議な感じ。時が流れているんだなあ」としみじみと話した。
前半11分には稲本がパスカットして、カウンター攻撃の起点になった。だが、小野が稲本のパスを受けた川崎Fの選手を、警告を受けるほどの激しいスライディングタックルでなぎ倒し、ピンチを未然に防いだ。99年ワールドユース準優勝、02年W杯16強の「黄金世代」のガチンコ勝負に、会場はどよめいた。
スコアレスドローの試合後には、対戦した2人が並ぶ異例のヒーローインタビューで握手。小野は「ドイツでは引き分けだったから、今回は勝ちたかった」と悔しがり、稲本は「オレたちの世代で、Jを盛り上げたい」と意気込んだ。【塩畑大輔】



