4月男が3連勝をもたらす。コンサドーレ札幌は4日、アウェーで岐阜と対戦する。昨季チーム最多の19得点を挙げたFWチアゴ・キリーノ・ダ・シウヴァ(25)が、今季初ゴールを宣言した。新戦力FWの内村と近藤に先を越されたが、昨季5戦4得点を挙げた得意の4月を迎え、気持ちも乗っている。まずは明日の初戦で1発を決め、量産への足がかりをつかみに行く。

 札幌の「春男」キリノが冬眠から目を覚ます。晴れ上がった2日の札幌・宮の沢のピッチで、エースが躍動した。10対10の戦術練習では、中盤から5人を抜きゴール前に飛び出すなど、好調ぶりをアピールした。紅白戦の最後に行われたセットプレーの確認では、岩沼のFKを頭で合わせゴールを決めた。開幕から4戦不発と沈黙を続けるハンターに、ようやくスイッチが入った。

 練習後は偶然にも天を舞い始めたワシを眺めながら手を羽ばたかせるなど、心も体も乗ってきた。4日の岐阜戦に向け「もう(出場)4試合目。そろそろ結果を出しにいかないと」と1発をはっきりと宣言した。第3節栃木戦では内村が1発、前節岡山戦では近藤が2発決めるなど、ニューパワーに先を越されているだけに、得点意欲にも火が付いている。

 ブラジル生まれの助っ人に待望の季節がやってきた。昨季19ゴール中、4月は5試合で4発と量産した。春の兆しとともに、状態が上向いており「暖かくなって体も軽くなってきた。コンディションも上がっているしね」と自信を見せた。明日の岐阜の予想最高気温は15度で晴れ。「(08年までプレーした)スウェーデンに似ている」と言う大好きな日本の春と初得点の歓喜を、ダブルで満喫しようという心づもりだ。

 石崎監督も「ゴールは取れていないけど、ボールを取る動きは評価している」と、前線での献身的な守備には合格点を与えている。あとはエースとしての仕事を果たすのみ。今季目標に試合数と同じ36点を挙げてのJ2得点王を掲げる背番号19が、2季連続のチーム新年度1号を決め、量産態勢に入っていく。【永野高輔】