<J1:G大阪1-1清水>◇第7節◇17日◇万博記念競技場

 J1清水が引き分け、開幕からのナビスコ杯を含めた公式戦無敗記録を9に伸ばした。負傷者続出のG大阪に対し前半40分、PKで開幕広島戦以来の先制点を許した。ペースを取り戻した後半25分、FW岡崎慎司(24)が同点とし、後半だけで13本のシュートを放ったが勝ち越せなかった。

 負けなかったけど、勝てなかった。シュート本数で9本も相手を上回った。何度も決定機を迎えた。だが、積み上げたのは勝利時の3分の1しかない勝ち点1。MF小野は「1点を取り返すという強い気持ちは出せた。でも、今日は負けたような気分」と、イレブンの思いを代弁。長谷川監督も「後半にアグレッシブに戦ったことは褒めたいけど、勝てなかったことが悔しい。そこが、まだ力のなさだと思う」と振り返った。

 負けていないことが重圧になってしまったのか。前半は消極的なプレーが目立ち、前節まででリーグ最多の12得点を挙げている、攻撃力は鳴りを潜めた。MF小野は「前半は自分たちのサッカーが何1つできなかった。(序盤は)負けていないということで浮足立った」と嘆き、エース岡崎も「相手のカウンターを意識しすぎてチャレンジできなかった」と反省した。

 選手たちは口々に厳しい言葉を並べたが、負けなかったのも事実。同点後も、勝ち越しを狙って何度も相手ゴールに襲い掛かった。3本のシュートを放ったFWヨンセンは「GKとゴールポストにことごとく阻まれた。本当に『もうちょっと』が多い試合だったけど、またこれから勝っていけばいい」と前を向いた。

 開幕からクラブの公式戦無敗記録を9に更新。守備陣はDF児玉の故障で急きょ先発したDF平岡やDFボスナーが体を張って、PKによる最少失点でしのいだ。手堅く勝ち点1を積み上げたとも言える。長谷川監督は「勝てなかったのは、ポジティブにとらえて次への宿題ですね」と、次戦ホーム大宮戦での白星を誓った。「頂点」を目指すからこそ、無敗記録ではなく連勝記録が欲しい。【為田聡史】