<J1:清水2-1大宮>◇第8節◇24日◇アウスタ

 まさか!?

 のスーパーゴールでJ1清水が通算300勝に王手をかけた。後半13分にMF兵働昭弘(27)の今季初ゴールで先制したものの、一時同点とされた。同41分、MF山本真希(22)の右コーナー付近からのセンタリングが、そのままゴールインして決勝点を挙げた。清水は再び首位に浮上した。

 引き分け濃厚の重苦しい空気を山本真の一撃が吹き飛ばした。1-1で迎えた、後半41分。右サイドのタッチライン際で相手DFのマークを振り切り、中央に向かって右足を振り切った。放たれたボールはニアポストと相手GKとの間をすり抜け、ゴールに突き刺さった。場面も距離も角度もスーパーな今季1号にアウスタがどよめいた。

 サポーターが驚くのも無理はない。山本真がホーム出場34戦目で放った「アウスタ1号」だったからだ。ただし、記念のゴールにも本人は照れ笑いだ。「シュートは狙っていないです。相手のGKとDFの間を狙ったんですが…」と、真相を明かした。試合後の取材エリアではバッタリ会った大宮GK北野からも「あれってシュート?」と追及され、「センタリングです」と正直に答えた。北野は「あれはえぐいよ」と、お手上げするしかなかった。

 狙いはどうであれ、ゴールはゴール。スコアボードには1点が追加され、勝ち点3も積み上げた。「アウスタのゴールは最高ですね。得点に絡もうと意識していたのでよかった。この調子でみんなで戦っていきたい」。これで今季のホーム公式戦は5戦全勝。もはやアウスタでは負けられない雰囲気が、選手をゴールへと向かわせ、まさかの1発を生んだ。すべてが一丸となっている。【為田聡史】