<J1:東京3-0山形>◇第11節◇9日◇NDスタ

 W杯代表メンバー入りを目指す東京MF石川直宏(28)が、最後の実戦で存在感を示した。アウェー山形戦の2-0で迎えた後半34分、キッカーを任された左CKをDF今野泰幸(27)に合わせて、3点目をアシストした。今季初ゴールこそならなかったが、当落線上の男が必死のアピールをした。

 試合後、石川は平山とハイタッチを交わした。「(平山)相太も終盤、点が取れそうな雰囲気だったので、もう少しだったなと声をかけた。まだ終わらないでくれと思ってプレーしていた」。リーグ戦7戦ぶり勝利の喜びと同時に、代表発表を前についに今季初ゴールを奪えなかった無念さもにじみ出た。

 09年10月に負った左ひざ前十字靱帯(じんたい)不全損傷から復帰し、惨敗した4月のセルビア戦では後半から出場し、決定機を2度演出するなど1人気を吐いた。この日も両サイド、中央とポジションを変え、つなぎ役として機能した。シュートは前半の1本に終わったが、「体の状態はいいし、狙いを持ったプレーはできている」と振り返った。

 左ひざには「ケガをしないように」とファンからプレゼントされたミサンガを巻いてプレーを続けている。10日のW杯代表発表は「悔いはない。すべてを受け入れて、次のステップにしたい」と都内の自宅で朗報を待つ。試合では日本代表DF長友佑都(23)も豊富な運動量で攻守に貢献。代表発表を前に「どきどきするね。ときめいちゃうね」と笑顔で答えた。【塩谷正人】