<J1:C大阪3-0山形>◇第14節◇24日◇長居

 C大阪の「ポスト香川」MF清武弘嗣(20)が、名刺代わりの1発だ。後半21分、MF家長のふわりと浮かせたパスを胸トラップし、左足で右隅に決めた。試合を決める3点目。新加入の新エース候補がチームを暫定4位へ導いた。「狙い通り。うまくトラップできた。練習通りの形」と自画自賛した。

 下部組織から所属した大分は昨季J2に降格し経営危機に陥った。「給料を支払えない。移籍してほしい」と強化担当から言われた。悩んだ末にC大阪移籍を決断。12年ロンドン五輪、14年W杯を目指し、大阪で再スタートを切った。

 移籍当初はドルトムントへ移籍した香川の控え扱い。5月下旬には右足関節靱帯(じんたい)を損傷したが「けがをしている間は筋トレをして、当たりに負けない体をつくろうと思った」。地道な努力を重ねた末の移籍後初ゴール。「(ポスト香川と)言われてプレッシャーを感じていたが、今はサッカーを楽しむことを意識している」と、心に余裕もできてきた。【奈島宏樹】