<ナビスコ杯:G大阪1-0広島>◇準々決勝第1戦◇1日◇広島ビ

 怒られて、勝って、いざ出陣-。G大阪の日本代表MF橋本英郎(31)がフル出場したが、決定機を逃して仲間から怒られる場面もあった。それでも1-0の勝利に貢献し、07年以来3年ぶりの優勝を目指すG大阪に貴重な白星を贈った。橋本は2日からの日本代表合宿に合流する。ベスト4進出を懸けて第2戦は8日に行われる。

 先勝に貢献した橋本だが「2点目が取れなかった。次が心配」と反省ばかりが口をついた。その“2点目”を奪えなかったのが橋本本人だったからだ。1点リードの後半33分。DFラインの裏へ抜け出しシュートを放ったが、大きく外れた。リーグでは6戦連発を記録した決定力を発揮できなかった。

 「(DF中沢)聡太から『気持ちが代表に向いているんじゃないですか』と言われた。そんなつもりはなかったけど、反省するところは多い」。4歳下の仲間から怒られながら、謙虚に振り返った。

 日の丸を背負うからこそ、周囲の目も厳しい。西野監督は「決めるところは決めないといけない。持ち味の機動力は出せたけど」とあえて厳しく評価した。日本代表MF遠藤が左ふくらはぎ痛で欠場した中、3年ぶりの優勝を狙うナビスコ杯でまずは4強に大きく前進。だが、橋本は「監督の言う通りですね。追加点がほしかったのは確か」と言い訳はしなかった。

 この日は治療に専念した遠藤とともに2日から始まる日本代表合宿に参加する。ザッケローニ新監督については「(香川)真司みたいなタイプが好きじゃないかな。本田と久しぶりに会うのも楽しみ。若手のつもりでアピールする」。まだまだ成長できる。31歳のベテランは、本気で信じているからこそ謙虚な気持ちを忘れず、代表へ復帰する。【奈島宏樹】