<J1:仙台1-0横浜>◇第24節◇25日◇日産ス

 仙台が好調横浜を下し、今季3度目の2連勝を飾った。左足首のねんざで戦列を離れ、この日が先発復帰となったFW赤嶺真吾(26)が前半14分に先制点をゲット。守備陣も今季初の2試合連続完封で勝利に貢献し、12位山形に勝ち点2差と肉薄した。

 お待たせの完全復活を遂げた。前半14分、ロングパスをFW中原がスルーし、MF梁が体をうまく使って左サイドを抜ける。ゴールライン際に運んで左クロスを上げると、人影が飛び込んだ。赤嶺だ。ダイレクトで左足に合わせたシュートは、豪快にゴールネットを揺らす。02年以来8年ぶりに横浜を下す1発。後半45分に足がつって交代するまで、最前線で体を張った。

 移籍3戦目の8月22日大宮戦で初ゴール。だが、次節28日の湘南戦で左足首をねんざして戦列を離れた。当初は全治1週間程度の軽い診断だったが、完治は遅れた。「もっとゲームに出て貢献しなければ。長引いて個人的に痛かったし、何より、チームに迷惑をかけた」。結果を出して恩返しすることだけ考えていた。

 チームには、順調にとけ込んでいる。鹿児島実の先輩FW平瀬に沖縄料理店に連れて行ってもらった。仲間とも気さくに話し「特徴は分かってきた。関口がうるさいとか」と笑う。11日の鹿島戦翌日のオフは、夫人と長女の3人で宮城蔵王のふもとにある遠刈田温泉を訪れた。負傷中のモヤモヤを吹き飛ばして、挑んだ。

 千金弾の後は、チーム一丸となって守り抜いた。被シュート数は自軍の3倍の18本。GK林がMF中村のブレ球ミドルなどシュートの嵐をしのぎ、フィールドプレーヤー全員が体をなげうった。後半20分にはMF千葉を投入して4-1-4-1にシステム変更。手倉森監督は「8割方、守る覚悟だった。1点を取れたらブロックを組む。どん引きだって思われてもいい。割り切った」と胸を張った。

 19日の山形戦前、監督が「全チームから勝ち点を取る」と目標設定した通り、山形に続いて、横浜からも勝ち点3を奪い返した。9月は2勝1敗と勝ち越し。降格圏16位との勝ち点差を今季最大となる「6」に広げ、J1残留に大きく前進した。【木下淳】