<J1:G大阪2-1湘南>◇第32節◇23日◇万博

 G大阪が来季のアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場権獲得へ王手をかけた。開始24秒でMF橋本英郎(31)が先制弾を挙げるなど2-1で湘南に勝利。今季初めて2位に浮上し次節27日横浜戦(万博)に勝てば、Jクラブ初の4大会連続のACL出場権となる。リーグ制覇は逃したが来季は3年ぶりのアジア制覇へ再挑戦する。C大阪も勝利しACL逆転進出の望みがふくらんできた。

 まだ戦いは終わってはいない。優勝は名古屋に譲った。それでもG大阪の戦意は衰えるどころか、逆に増していた。キックオフから流れるようにボールをつなぎ、ゴール前へ走り込んだ橋本が、下平のクロスからのこぼれ球を滑り込みながら押し込んだ。見たか!

 心の叫びが聞こえるような開始わずか24秒の速攻劇。紅葉真っ盛りの万博に詰めかけた観衆もびっくりの先制シーンだった。

 意地と執念で今季初の2位に浮上した。1シーズン制になった05年以降、クラブは06、07、09年と5季中3度も3位で終えている。1位は消滅しても、2位は守りたい。秒速弾の橋本には素直な思いがあった。

 「(得点まで)1分くらいですか?

 えっ?

 30秒切っていたんですか?

 そんなに早く点を決めたことなんて今までない。まだ目標もありますから。どうしても2位になりたい。ボクらは万年3位のように思われるんでね」。

 次節横浜戦に勝てば、Jクラブでは初めてとなる4年連続のACL出場権を得る。前節名古屋が優勝を決めた際のことだった。同時刻に敵地浦和から航空機で帰阪した選手らは、落胆するどころか雪辱へ闘志を燃やしたという。遠藤は「モチベーションが下がることは一切ない。ボクらはプロですから、次に結果を出すだけ」と話した。西野監督も「まだ今年の総括をするつもりはない。(過去を)振り返ることもしない」とまで言った。

 本拠地万博は休日にもかかわらず、空席が目立ち観衆は1万1347人だけ。だが一時は同点に追いつかれながら後半30分に勝ち越す展開に、指揮官は「1点失った方がリズムが出ると思っていたくらいだ」と話す余裕ぶり。消化試合にはさせない。G大阪が残り2戦も盛り上げ、アジアへと飛び立つ。【益子浩一】